AntiSpoiler のバックアップソース(No.4)

#ref(01AntiNetabare_S.png,,center)

#ref(netabare_for_program.png,around,right)

本プロジェクトは,人の楽しみを減退させるネタバレを防止することを目的とした研究です.墨塗りや非表示,結果反転などのネタバレ防止手法により人がネタバレに遭遇してしまう問題を極力抑えることを目的としています.

Mozilla Firefoxのプラグインとして実装していますので,下記からデモ版をFirefoxのプラグインとしてインストールすることにより体験することができます(インストール方法は下記のURLからファイルをダウンロード後,Firefoxのウインドウ上にドロップして再起動)
-http://snakamura.org/files/netabare.xpi

*概要 [#p010ddcf]

ネタバレにはさまざまなものがあります.
-スーパーボウルの試合を録画して楽しみにしていたのだけれど,何気なく訪れたmixiで結果を知ってしまう.
-サッカーのU-21代表の試合を楽しみにしていたらニュース速報で知ってしまう.
-ツール・ド・フランスを楽しみにしていたのにtwitterでその結果を知ってしまう.
-某映画の結末を飲み会の場の会話で知ってしまう.
-某小説の犯人を,小説内に「こいつが犯人」のように書き込まれたいたずら書きで知ってしまう.
-某ゲームの犯人を知ってしまう.

#ref(netabare_graph.png,around,right,75%)

ネタバレはコンテンツを楽しもうと思っている人間にとって忌むべきものであり,楽しみを奪ってしまうものです.ユーザは対象コンテンツを楽しむまで(堪能するまで)はそのコンテンツに関連する情報を積極的に遮断しようとし,堪能した後はそのコンテンツに関連する情報を積極的に集めたくなるという特徴があります.

この研究ではそうした点を考慮し,Web上で出会うネタバレを防止するため,ユーザの短期的な興味を考慮しながら情報の部分フィルタリングをブラウザ上で行うものです.

#clear

ネタバレを防止するための手法として5つの手法を提案しております.
-非表示手法: 該当するブロックを非表示することによりネタバレ防止します
-墨塗り手法: 該当するブロックをテキストと同じ色にすることによりネタバレ防止します
-曖昧表現変換手法: 該当するブロックを曖昧な表現に変更することでネタバレ防止します
-木の葉を隠すなら森の中手法: 該当するブロックと類似しているが異なるブロックを多数挿入することによりネタバレ防止します
-結果反転手法: 該当するブロックをある一定の確率で結果反転することによりネタバレ防止します


結果
-非表示は気になってしまうが確認できない
-墨塗りは割と評判が良かったが,気になってしまうという点と精度に問題あり
-曖昧表現変換や木の葉を隠すなら森の中は変換および認識精度に問題あり
-結果反転は認識精度を無視できるためかなり良い(たまに驚いてしまう)


*業績 [#ib70c4ce]

-Satoshi Nakamura and Katsumi Tanaka: Temporal Filtering System for Reducing the Risk of Spoiling a User's Enjoyment, 2007 International Conference on Intelligent User Interfaces (IUI2007), pp.345-348, Hawaii (Jan. 2007).
-中村聡史: ネタバレ防止ブラウザの実現, 第18回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ (WISS 2010), pp. 41-46 (2010/12).
-第18回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ (WISS 2010) 発表賞,ネタバレ防止ブラウザの実現 (中村聡史)
-中村 聡史,小松 孝徳: スポーツの勝敗にまつわるネタバレ防止手法の検討, インタラクション2012
-Satoshi Nakamura, Takanori Komatsu: Study of Information Clouding Methods to Prevent Spoilers of Sports Match, Advanced Visual Interfaces (AVI 2012), to appear.
-[[もう「犯人はヤス」を見なくて済む? 「ネタバレ防止」をマジメに研究する:http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1203/16/news076.html]]