Anti-Spoiler_Filter
サッカーや野球の試合などが,仕事や学校,用事などの都合によりリアルタイムに見れないことは多々あります. 時間が空いたときにその試合を見るため,録画しておいて視聴することを楽しみにしていることがよくあるのではないでしょうか?
近年,ウェブのポータルサイトが普及していることにより,多くの情報を一気に確認することができるようになっています. 経済や社会,政治に関する情報をこうしたサイトを利用して閲覧しようと思ったのに,楽しみにしていたスポーツの試合結果を見てしまいがっかりしたことはないでしょうか?
情報推薦やパーソナライズの分野では,その人の嗜好に合わせて情報を提示することを目標しています. しかし,ひとには都合があります.好きだからこそ今は見たくないということを考える必要があるのではないでしょうか?
本研究では,こうした「好きだけれども,楽しみにしているからこそ今はその情報に触れたくない」を考慮した情報フィルタリングを行うことを目的としています.単純に言うと「ネタばれ防止」のためのフィルタリングです.
スポーツの試合がもっともわかりやすい例ですが, ミステリードラマや小説を楽しんでいるときに,その犯人を他人により教えられるとガッカリするでしょう. ゲームなども同様に展開がわかるといやになることかと思います.
そうした点を考慮して,ネタばれをなんとかすることを目的としています.
ここでは,テレビ番組と本に注目し,テレビ番組を予約したときから実際に視聴するまで,本を購入してから読み終わるまでをネタばれ防止するべき期間と考え,ブラウザ上での情報フィルタリングを行います.
フィルタリングの単位は,ここでは情報の最小単位とします.
たとえば,HTMLのリスト情報,文書の一文などです.
システムは,左図のように,ユーザにとってネタばれすると思われるテキストの文字と背景を同じ色に設定し, ユーザがそのページを見たときにネタばれでガッカリすることを防止します.
ネタばれしている情報かそうでないかを判断することは簡単ではありません.
例えば,Jリーグのガンバ大阪と浦和レッズの試合をビデオに録画し,それを視聴することを楽しみにしていたとします. ここで,過去のガンバ大阪や浦和レッズの試合に関する情報をフィルタリングする必要はありませんし,その試合に関する情報であっても,その試合の結果を予想するものなどのように,試合が開始される前に提供された情報であれば,実際にネタばれはしていないといえます.
そこで,情報が発信された時間を考慮し,フィルタリングを行います. 右図は情報がフィルタリング対象になるかそうでないかを,図により単純化したものです.
[編集]Publications
- Satoshi Nakamura and Katsumi Tanaka: Temporal Filtering System for Reducing the Risk of Spoiling a User's Enjoyment, 2007 International Conference on Intelligent User Interfaces (IUI2007), pp.345-348, Hawaii (Jan. 2007).